九州つなぎ隊の活動は淡々と続いています。
イベントなど活動の場そのものが中止となったものは仕方ありませんが、そうでない社会の仕組みとしての九州つなぎ隊の活動は途切れることなく続いています。
その一つが新富町のシンビジウム農家のお手伝いです。
長友司君(以下司君)という青年がご両親から引き継いで頑張っています。
シンビジウムは夏の間涼しいところで過ごさせると年末に間に合うように蕾を付け、結果価格も高く取引されます。新富町に置いたままでも大丈夫なのですが、蕾を付けて出荷できるようになるのは春頃になって価格もそれなりになってしまうそうです。
以前はえびの市や西米良村に持って行っていたそうですが、気候変動の関係で今は大分県の九重町に持って行っています。
持って行くのを「山上げ」、新富町に降ろしてくるのを「山下げ」と言っています。
今回私たちがお手伝いしたのは「山下げ」です。
お手伝いをするきっかけになったのは、司君が日之影町中川地区のチューリップ祭りに来た時に九州つなぎ隊がお手伝いをしているのをみて、九州単位で動いている人たちがいるということを知り事務局に電話をくれました。
大分県には隊員さんは1人しかいませんので、そこは司君の思惑は外れたのですが、何と言って人手不足が深刻な状態らしく、2人で話して「とにかくやってみよう」ということで始めました。
これまではパートさんを雇ってやっていたようですが、そのパートさんの確保も厳しくなっていて、これからのことも考えて持続できる仕組みを考えているようです。
4年位前からお手伝いしていますが、最初は九重町にも一緒に行ってトラックから降ろす作業の手伝いもしていましたが、ここが難しいところで九州つなぎ隊の隊員さんが手が上がるのか、何人上がるのかが募集をかけてから出ないと分からないというのと、平日だと隊員さんも仕事をしているので厳しいというのがありました。
そこで司君は新富町でのトラックの積み込みや積み下ろしだけを九州つなぎ隊に依頼し、九重町での作業はパートさんを雇って人員を確実に確保してやるという方法に切り替えました。
今回の山下げは2回あったのですが、1回目は土曜日ということもあり司君家族と九州つなぎ隊6名だけで行うことができました。
2回目は平日だったのとその後の作業もあるということで、司君ところの家族とパートさん、そして九州つなぎ隊4名で作業をしました。2回目は人数も多かったというのもあるのですが、2時間かかる作業が1時間半で終わりました。
0か100かでなく、色々工夫して組み合わせも考えて取組むと新たな仕組みが見えてくるように思います。
高齢化や人口減少それに伴う人手不足を考えるとこれまでの人もいて人でもあったことを同じように同じ仕組みでやろうとすると無理があったり、あきらめることになったりしますが、司君の様に作業を整理して使えるツールも集めて自分の作業に合った仕組みを常に考えながら取組む。
これは今からの時代に不可欠と言っていい柔軟性だと思います。