「南川神楽のお手伝い」当日編その2 ~宮崎県諸塚村~

南川神楽当日、いよいよ夜神楽の始まりです。

神事、慣わし、伝統をしっかり受け継ぎながら、ことが始まり進みます。

神楽の文化的な価値の高さや歴史、そこの特徴などは、詳しい先生方や神楽のファンの間で語られます。

そこに議論があったり、笑いがあったり、納得があったり、神楽を通じた関係が深まってコミュニティにつながっていきます。

そういった神楽そのものの魅力はもちろんなのですが、そこで行われる脇宿のおもてなしの文化にも心惹かれます。

神楽に来た人を誰でも分け隔てなくもてなす。

梅ノ木は5世帯の集落ですが、全ての家が解放して食べ物飲み物をふるまいます。

そのために他の集落の婦人部が神楽の舞手や脇宿の接待を担当し、地元集落の女性たちは自宅でお客さんをもてなします。家も大変ですから、そこには親戚筋が集まって協力します。

今回も外国の青年が一人で来ていて日本語もよく分からないこともあったのか、一人ポツンとしていました。それを地元の青年が「一人でおるからよ、声をかけて連れてきた」と集落の家に連れてきてもてなしていました。

神楽そのものもですが、こうして一晩夜通しで行われるおもてなし、こういったこと全てをひっくるめて文化だなぁ~と思います。

そして、何故始まったのだろう、何故続いてきたのだろう、何故こんなに頑張るんだろう等々、色んなことが頭を巡り、今とは違う色んな時代に思いをはせ考えます。

この時間、ひと時、その瞬間も私はとても好きです。

天照大神が出てくる神楽では、そこにいる人皆が感動し、見ている人の目には自然と涙が溢れます。それを務めた子どもの親族の感動は大きく、周りもそれを喜びます。

その時を全部ひっくるめた全体というか、その場に感動してまた涙が出てきます。人としてとてもいい時間なのです。

神楽も終わり、お客さんも帰るとみこやの解体や片付けです。みんな疲れた体で残ったエネルギーをフルに使って協力します。

全部終わっての直会、本当にホッとするひと時です。「ホッとする」という言葉はこのためにあるのではないかと思うほどです。

今年もとてもいい神楽でした。無事、南川神楽が終わりました。

九州つなぎ隊の神楽のお手伝いを締めくくりです。

南川の皆さん、お世話になりました。

来年は、3回目の松原での神楽です。

神楽の始まる日

神楽の終わる日