「チューリップの球根植え」のお手伝い⚘ ~宮崎県日之影町中川地区~

ここには笑顔があふれています。

毎年、春に「チューリップ祭り」のお手伝い、5月に「チューリップの球根掘り」のお手伝い、そしてこの時期に「チューリップの球根植え」のお手伝い、年に三回地元の人と【九州つなぎ隊】は顔を合わせ一緒に作業します。

もう10年近く続いています。

最初の頃は地元の年配の女性が「人がいるっていいね~」としみじみ言われたのが印象的でした。集落の世帯数、人口も減って高齢化も進み不安になっておられたのかもしれません。

最初はそんな特別な存在だった私たち【九州つなぎ隊】も、今や互いに当たり前の存在になっていて、まるで地元出身者が帰ってきたような雰囲気になっています。

【九州つなぎ隊】は、高齢化が進む中川地区の“チューリップの取組”に関して、ある程度安定した関係、仕組みとなってきていると思います。

中川地区は高齢化が間違いなく進んでいます。つまり中川地区の方はこれから関われる人がさらに減っていくと考えておかなくてはいけません。

地元という視点を少し広げてみると、日之影町内からお手伝いに来られる方もおられます。しかし、毎回というのは限られた方々で安定したお手伝いの方と数えられるのはこの方々かなと思います。

この中川地区のチューリップの取組に関わっていると、地域の特に中山間地域のこれからを考えるのにとても勉強になります。

会長の瀧川さんの言われる「身の丈にあった」ということはとても大事で意味深く、これからの中山間地域や集落の展開のあり方を示唆していると思います。

「身」が分かっていないといけませんし、「丈」を知っていなければいけません。

高齢化、人口減少の時代、これまでのように“人がいた時代”と同じように同じやり方で続けるのが無理なのは誰が考えても分かります。高齢化、担い手不足、人口減少の先進地の中山間地域では既に顕著です。

であれば、まずは“今あるもの”をどうしていくのかという議論をしっかりする必要があるのではないかと思います。選択と集中という考え方も必要かもしれません。

これからの時代背景とそれによる変化を見据え、目指す姿、これからのあり様を明確にし、それに向かってしっかり考えて組立てて取組む必要があると思います。

これをやらずに、これまでもあったような「活性化」という名のもとに“新しいことを始める”というのは、色々と厳しく難しい状況を生み出すことになりかねいと思います。

そもそも中山間地域の方々は都市部に比べ、移動に時間がかかりますし、利便性も高くはありません。人口も元々少ないのです。だからこそ、ここの暮らしには昔から受け継がれる工夫があり、合理的な仕組みが存在します。これは素晴らしいものです。

そう言う意味でも瀧川さんの言われる「身の丈にあった」というのは、決して“消極的な意味”ではなく、“地味な発想”でもなく、今の時代の前を行く深いものだと思います。

中山間地域の方々が持つ昔から引き継がれているこの素晴らしい文化、仕組み、暮らしなどに学びながら、それを生かして今の時代これからの時代にあった形、仕組みに創り上げていく。

それが『身の丈に合った』という言葉に込められていて、『時代に沿った前向きの工夫』を意味する言葉ではないかと思います。まさに『温故知新』。

都市部の“これから”にも大きなヒントにもなるのでないかと感じています。