中之又の夜神楽!

九州つなぎ隊は、宮崎県児湯郡木城町の中之又地区「中之又鎮守神社大祭」夜神楽のお手伝いでした。

私は日南市で講演があったため午後8時半から合流しました。思った通りの寒さです。ここは日中も陽の当たる時間も短く、山も奥深いところで、昨年もマイナス六度でした。

私が到着すると神楽もいい感じで、お客さんたちも火がたかれたドラム缶の周りに集まって神楽を鑑賞されていました。

私に気付いた地元の方々が次々と声をかけてくださり、つながっている感じが私の心をいっぺんに温かくしてくれました。

お客さんが暖を取るための火を絶やさないように、薪を運びくべながら夜がふけ、深々と冷え込んでいきます。

午前3時頃には神楽も終わり、そのまま集落の方々と九州つなぎ隊の隊員で力を合わせて片付けを行いました。この神楽に参加する隊員さんはリピーターが多く慣れたもので、集落の方々レベルで作業を進めていきます。

九州つなぎ隊の活動でリピーターが多いというのは、地元の方々が人のつながりを大事にされていて、隊員とも互いに気持ちが通じ合っている、まさに心地よさのバロメーターそのものなのです。

地元の方が、ただの労働力や多くの観光客をただ望んでいるだけでない証でもあります。

9年続けてきていますが、隊員さんたちは見事にそれを感じ取られ見抜かれます。

いかに九州つなぎ隊の隊員さんが、中之又地区のことを想い、隊員でもある中武宮司や奥さんの千草さんのことを想っているかですし、中之又地区の方々や中武ご夫婦が、九州つなぎ隊とのつながりをいかに大事に思ってくださっているかということだと思います。

神楽を通じて、人がつながり、心が通じ合う。それが日ごろの助け合いや支え合いにつながることを実感します。

中之又で災害や人手の必要なこと、困ったことがあったら、九州つなぎ隊は駆け付けるでしょう。特にリピーターの隊員は。だって大事な人たちはほっとけない。

ここに来ると、神楽はそもそも何故始まったのか、なぜ続けられてきたのか、先人の知恵など色々考えさせられます。

もし神楽が観光客を集める目的なら、それを手伝うのは誰でもいい。観光客も手伝いも数だけが評価。

一元の客でも手伝いでも、その時だけ誰でもたくさん来てくれればいい。経済を最優先に考えればそうかもしれませんが、今からはどうなのだろう。

高齢化、過疎化、担い手不足、少子化そして人口減少とこれまで経験したことのない、とても厳しい時代。これまでの価値観のままで大丈夫なのか。

目に見えない経験したことのない変化が、ジワジワと音もなく迫ってくる。そんな時代を迎えるにあたり、私たちにとって、地域にとって大切なもの、本当に必要なものは何なのか。目指す姿はどこにあるのか。

九州つなぎ隊は、そこに向き合います。人がつながり、通じ合うものがあって、次があると思っています。

高齢化、過疎化が進む中山間地域、そして日本全体で進む人口減少の時代、将来への可能性の扉は、こういったところにあるのではないかと考えています。

九州つなぎ隊は夜が明けるのを待って最後の片付けをして、それぞれ帰路につきました。